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12.心配性で自滅
極め付きの心配性のKさん、ちょっと変わった事があるとこれは悪い病気じゃないかと顔色が変わる、
すぐ病院へ行って検査してもらう、ちょっと手が痛いと整形へ行ってレントゲン撮ってもらう、
MRIを撮ってもらう、
整形で頸椎が変形してると言われたら、頸椎が悪いからそのうち手が麻痺するに違いない・・・
悪い方悪い方へ先回りして心配する。
その結果一杯薬も飲んでいる、年間の医療費は50万円くらい使っているそう。

本来どこも悪くないのに、頻繁にX線浴びてるリスク、不必要な薬の副作用とか考えたら結局のところは損してる。
傍から見ていて、心配性のために無用にいじり過ぎて却って自滅している人がどんなに多いことか。

今日来られたOさん、極め付きの心配性、
「先生にお聞きしたい事があるんですけど」
「何でしょうか?」
「胃や肝臓や脾臓やらの位置を教えて下さい」
「胃はここやけどそれがどうかしたんですか?」
「胃癌にならないようそこを温めたら良いんですね?温めたら癌になりにくいと人に聞いたんですけど」
予想外の発想に一瞬絶句しました。
胃を温めて癌が防げるならこんなええ方法はないですが、そういうものではないですね。

病気を治すためには生命力をフルに発揮して病気との戦いに勝つしかない、
自然治癒力とは生命力そのものだから、生きようとする気力、本能を強くする、それが一番大事なことですね。
心配性の人は、病気になったらどうしようなんて事ばっかり考えてるから病気になるという暗示を自分に植え付けてるようなもので、かえって病気が寄って来る、結構そんな人が多いですね。
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